書き手:真柴 渉(トビラの会 カウンセラー)
女性がSMを初めて体験する前に知っておきたいのは、「怖い」と感じるのは自然なことで、何をするか・しないかを決めるのはあなた自身であり、途中でも、会う前でも、いつでもやめてよいということです。そのうえで、最初の相手は「会う前にどんな人かを確かめられる方法」で選び、初めて会う日は話すだけの日にしてください。
「SMに興味はあるけれど、痛いことをされたらどうしよう」「嫌だと言えなかったら」「相手に引かれないかな」「家族や職場に知られたくない」。当会にご相談くださる女性の多くが、最初はこうした不安を口にされます。初めての方は、少しも珍しくありません。
この記事では、SM初心者の女性が感じやすい不安と、その一つひとつへの考え方、初めての前に決めておきたいこと、そして自分のペースを守りながら相手を探す方法をお話しします。
SMに興味がある女性は、少しも珍しくありません
「興味がある」と「すぐにしたい」は別のこと
SMに興味を持つきっかけは人それぞれです。小説や映画の一場面が心に残っている方、恋人にリードされることに惹かれる方、「誰かに委ねてみたい」という気持ちに気づいた方。きっかけがはっきりしない方もいらっしゃいます。
大切なのは、興味を持つことと、すぐに何かを体験することは別だということです。「気になる」という段階で立ち止まり、知ること・考えることに時間をかけるのも、立派な一歩です。急ぐ理由はどこにもありません。
自分がMかどうか、まだわからなくていい
「私はMなのかな」「どこまでが好きなのか自分でもわからない」。そう迷っている方も多いのですが、最初から答えを持っている必要はありません。嗜好は、すでにあるものを探すより、信頼できる相手との関係の中で少しずつ形になっていくものです。心から入る方もいれば、話しているうちに気づく方もいます。
SMに惹かれる気持ちは、恥ずかしいことでも、おかしなことでもありません。私はSMを、相手に少しずつ心を開いていく関係だと考えています。だからこそ、「何をするか」より先に「誰となら安心できるか」を考えていただきたいのです。
初めてのSMが「怖い」女性によくある不安と、その考え方
不安があるのは、あなたが自分を大切にしている証拠です。よくうかがう不安を、一つずつ見ていきましょう。
「痛いことや、嫌なことをされないか怖い」
SMは、痛みや強い刺激だけのものではありません。言葉のやりとりや目隠しのように、痛みのないものもたくさんあります。そして、何をするかは、会う前の話し合いで二人が合意したことだけです。「痛いのは苦手」「これはしたくない」というNGは、それだけで十分な理由になります。理由を説明する必要もありません。
「嫌だと言えるか、断れるか不安」
これは、初めての女性からよくうかがう不安の一つです。SMでは、嫌だと伝えることは「関係を壊すこと」ではなく、「安全のための約束を守ること」です。あらかじめやめる合図(セーフワード)を決めておけば、その場で長く説明しなくても止めてもらえます。
そしてもう一つ。断るのは、プレイの最中だけではありません。会う前に「やっぱりやめておきます」と言ってよいですし、一度会ったあとに「次はありません」と伝えてもよいのです。どの段階でも、やめる権利はあなたにあります。
「相手がどんな人か、会うまでわからない」
文字のやりとりだけでは、相手の人柄はなかなか見えてきません。年齢や名前さえ、本当かどうか確かめにくいものです。だからこそ、初めての相手ほど「会う前に、どんな人なのかが確かめられているか」を基準に選んでください。この点は、あとの章でくわしくお話しします。
「家族や職場に知られたくない(身バレが心配)」
SMに興味があることは、ごく個人的なことです。誰にも知られたくないと思うのは当然です。顔写真、本名、勤務先、住んでいる場所がわかる情報は、相手を信頼できるとわかるまで出さないでください。一度送った写真や情報は、自分では取り戻せません。
「経験がないと、がっかりされないか」
経験の多さは、よい関係の条件ではありません。初めてであることを正直に話せて、その気持ちを大切に受け止めてくれる相手こそが、最初の相手にふさわしい人です。「初めてなら任せて」と、あなたのペースを飛ばそうとする相手のほうが、注意が必要です。
女性がSMを初めて体験する前に決めておきたい5つのこと
不安を小さくするいちばんの方法は、「その場で決めない」ことです。体験の前に、次の5つを自分の中で決め、相手にも伝えておきましょう。
1.してみたいこと・したくないことを書き出しておく
「言葉でリードされてみたい」「目隠しなら試してみたい」「痛いのは嫌」「跡が残るのは困る」。思いつくまま書き出してみてください。うまく言葉にできなくてもかまいません。書いておくと、話し合いのときに気持ちが揺らぎにくくなります。
2.やめる合図(セーフワード)を決めておく
ふだんの会話では使わない言葉を、やめる合図として決めておきます。声を出しにくいときのために、手で合図する方法も決めておくと安心です。合図が出たら、理由を問わずすぐにやめる。これを最初に約束してくれない相手とは、体験をしないでください。
3.「今日はここまで」を自分で決める
自分のペースを守るコツは、始める前に「今日はここまで」と線を引いておくことです。最初の一回は、「大丈夫かも」と思える範囲より少し手前で終えるくらいがちょうどよいでしょう。同意はそのつど確かめるもので、「前回よかったから、今回もいい」ではありません。
4.初めて会う日は「話すだけの日」にする
これから出会う相手と初めて会う日は、SMをする日ではなく、「この人と話していて安心できるか」を確かめる日にしてください。待ち合わせは、ホテルのラウンジや隣の席と距離のあるカフェなど、人の目のある場所に。その日のうちに二人きりになれる場所へ移らないことも、自分を守る大切な約束です。
5.終わったあとに気持ちが揺れても、あわてない
初めての体験のあとは、うれしさと戸惑いが入りまじることがあります。気持ちが落ち込んだり、不安になったりするのも珍しいことではありません。体と気持ちの具合を相手と確かめ合い、ゆっくり話す時間を取ってください。その時間を大切にしてくれるかどうかも、相手を見るよい手がかりになります。
体験の進め方やソフトなプレイの例は、初めてのSM体験|SMしたい初心者の始め方やソフトSMのやり方と種類にまとめています。
自分のペースを守れる相手の見分け方
初めての女性にとって、何をするかより大切なのが「誰とするか」です。会う前のやりとりや、初めて会った日の会話で、次のようなところを見てみてください。
| 安心できる相手 | 気をつけたい相手 |
|---|---|
| あなたのNGを、面倒がらずに聞いてくれる | NGを伝えると不機嫌になる、話をそらす |
| やめる合図を、相手のほうから確認してくれる | 「合図なんていらない」「任せて」と言う |
| 会うまでの日にちや流れを、あなたに合わせてくれる | 早く会おう、今日会おうと急かす |
| ふだんの暮らしや、お互いの考え方の話ができる | 最初から嗜好の話ばかりする |
| 個人情報は、信頼ができてからでよいと言ってくれる | 会う前から顔写真や連絡先を強く求める |
| お店の人など、まわりの人への接し方がていねい | 店員さんに横柄、命令口調が目立つ |
SMの関係でリードする役の人ほど、本当は相手の気持ちに敏感でなければいけません。「この人になら委ねてもいい」と思えるかどうかは、ふだんの言葉づかいや、こちらの話を聞く姿勢にあらわれます。少しでも違和感があったら、その違和感を信じてください。
SM初心者の女性が相手を探すとき、確かめておきたい3つのこと
恋人やパートナーがいない場合、SMの相手を探す方法はSMバー、SNSや掲示板、マッチングアプリ、仲介型のサービスなどいろいろあります(方法ごとの特徴はSM初心者の始め方で比べています)。どの方法を選ぶとしても、初めての女性は次の3つを確かめてください。
会う前に、相手がどんな人かがわかるか
名前や年齢、どんな暮らしをしている人なのかが、会う前に何らかの形で確かめられているか。ここが確かめられない方法では、すべてを自分ひとりで見極めることになります。
断るときに、ひとりで抱えずにすむか
「会ってみたけれど、合わなかった」。そのとき、相手に直接断りの連絡をするのは、思っている以上に気の重いものです。とくに相手が強く出てくる人だったら、と考えると不安になりますよね。断る役を誰かに任せられる仕組みがあると、気持ちはずいぶん楽になります。
顔写真や個人情報を出さずに進められるか
相手探しの最初の段階で、顔写真や連絡先を公開しなければならない方法は、身バレの心配がつきまといます。写真を出さずに相手を選んでもらえるか、連絡先を交換するのはいつか。始める前に確かめておきましょう。
トビラの会なら、初めての女性も自分のペースで始められます
トビラの会は、SMやドミサブに関心のある20歳以上の方どうしを、事務局が間に入ってご紹介する仲介型のマッチングサービスです。2010年頃から活動しており、登録会員数は延べ4,700名以上(2026年9月時点)です。ここまでお話しした3つのことに、私どもは次のようにお応えしています。
- 入会前に、男女とも全員とご面談:面談専用の公式LINEを使った映像通話で、ご自宅からそのままの格好で受けていただけます。面談は無料です
- 始めるかどうかは、面談のあとで決めてよい:お話を聞いてから考えていただいてかまいません
- 男性は身分証で本人確認:お名前・ご住所・ご年齢に加えて、今のお仕事の内容もうかがっています。お問い合わせの文面とご面談の両方で、ご入会いただけるかを確かめています
- 写真を出さずに始められる:ご紹介は、面談でうかがったお話をもとにしたプロフィールで進みます
- 自分から相手を探さなくてよい:ご紹介は基本的に男性からのアプローチで始まります。募集を出したり、たくさんの相手とやりとりしたりする必要はありません
- お断りは事務局からお伝えします:ご本人が直接断らなくてかまいません。いつでもやめられます
- 既婚かどうかは事前にお伝えします:ご結婚されているかどうかは、ご紹介の前にお相手にお伝えします
ご相談からお会いするまでの流れ
- お問い合わせフォームからご連絡ください
- 面談専用の公式LINEで、映像通話のご面談を行います。ご年齢の確認のほか、ご希望や不安に思っていること、SMの経験や好み(「まだわからない」でもかまいません)をうかがいます
- お話を聞いたうえで、始めるかどうかを決めていただきます
- 事務局からお相手をご紹介します
- 会う日時と場所は、事務局とのやりとりで確定します。確定すると、前々日と前日の2回、登録したメールアドレスにお知らせが届きます
- 当日はお二人でお会いいただきます。合わないと感じたら、事務局にお知らせください。お断りは事務局からお伝えします
面談は、手間に感じるかもしれません。けれど私どもは、面談を「安全のための入口」だと考えています。お相手も同じ面談を経ている。そう思えるだけで、初めて会う日の不安は和らぐはずです。困ったことがあれば、ひとりで抱えずに事務局へご相談ください。
料金について
女性は入会金・年会費ともに無料です。ご入会面談も無料です。くわしくはM女性のご入会案内をご覧ください。
※お約束のキャンセルや無断での不参加など、会員規約(トビラの会)に定める場合には違約金をいただくことがあります。
女性のSM初めて・SM初心者についてよくある質問
Q. SMに興味はあるけれど、怖いです。それでも始めていいのでしょうか?
A. はい。怖いと感じるのは自然なことで、その気持ちを大切にしたまま始めてかまいません。何をするかは会う前の話し合いで決め、合意したことしかしない、いつでもやめてよい、という前提で進めれば、安心して始めやすくなります。怖さがなくなるまで待つより、怖さを正直に話せる相手を選ぶことが大切です。
Q. 途中で「やっぱり嫌」と思ったら、やめてもいいですか?
A. はい、いつでもやめてかまいません。あらかじめ決めたやめる合図を伝えれば、理由を説明する必要はありません。会う前でも、会ったあとでも同じです。トビラの会では、お断りは事務局からお相手にお伝えします。
Q. SMの経験がまったくなくても大丈夫ですか?
A. 大丈夫です。当会には、ほとんど経験のない状態でお問い合わせくださる女性が多くいらっしゃいます。ご自分がMかどうか、まだわからないという方も、そのままご相談ください。
Q. 身バレが心配です。写真は必要ですか?
A. トビラの会では、写真を出さずに始められます。ご紹介は、面談でうかがったお話をもとにしたプロフィールで進みます。ご面談は映像通話ですが、ご自宅から受けていただけます。
Q. 面談を受けたら、必ず入会しないといけませんか?
A. いいえ。始めるかどうかは、面談でお話を聞いてから考えていただいてかまいません。面談は男女とも無料です。
Q. 初めて会う日に、SMをしないといけませんか?
A. いいえ。初めて会う日は、人の目のある場所でお話をして、「この人と話していて安心できるか」を確かめる日にすることをおすすめします。合わないと感じたら、次の約束をしなくてかまいません。
Q. 女性は本当に無料ですか?
A. 女性は入会金・年会費ともに無料です。ご入会面談も無料です。※お約束のキャンセルや無断での不参加など、会員規約(トビラの会)に定める場合には違約金をいただくことがあります。
まとめ:初めてのSMは「やめてもいい」と思える相手と、自分のペースで
SMに興味がある女性は、少しも珍しくありません。初めてで怖いと感じるのも自然なことです。何をするか・しないかを決めるのはあなたで、いつでもやめてかまいません。体験の前にNGとやめる合図を決め、初めて会う日は話すだけにして、あなたのペースを大切にしてくれる相手を選んでください。
相手探しにひとりで不安を抱えているなら、面談を経た方どうしが事務局を通して出会う方法もあります。「この人になら心を開いてもいい」と思える相手と出会えるように、私どもがお手伝いします。まずは、お話を聞いてみるところからでかまいません。
SMの相手との出会い方全般はSMパートナーとの出会い方、SMルームを使うときの準備は初めてSMルームを使う前にでもくわしくご紹介しています。
