SMに興味を持つきっかけについて、様々な方とお話する機会がございます。
最近、檀蜜さんが主演されている「甘い鞭」という映画を途中まで見ましたが、彼女がSMにはまるきっかけは、拉致されて監禁されてそこで相手の欲求にあらがい又は答えていくという非常に判りやすいトラウマとなっていますが、現実世界では、どうなんでしょうか。
トラウマという表現の仕方は全てに応用できるので、トラウマで正解なのでしょうが、SM的なものに興味を持つ過程は、そのトラウマに「心地よさ」が内在していて、その心地よさを求めた結果がSMなのではないかと思う時があります。それに、拉致監禁というような判りやすい「理由」は現実世界にはそう頻繁にある訳ではなく、むしろ大半の人は、別の類似したより緩やかでよりソフトな「理由」なのではないかと思うのです。
人間社会における錯綜した感情。喜び、悲しみ、憎しみ、愛、疎外感、充実感、・・・・という無限の感情が入り乱れた心の中で、鬱積した何かを心の中にためていき、そして歳を経るごとに大きくなっていく。心の中に明かりが生まれる一方で、闇が生まれていく。明かりにフォーカスすればより明るく、闇にフォーカスすればより暗く、そして無限大に心は拡大していく。
その明と暗の振動が、心臓の鼓動と共振した時に、もしかしたら「心地よさ」が生まれるのかもしれません。そしてその「心地よさ」を追求してしまった結果として、SMのトビラにたどり着き、開いてしまうのかもしれません。