トビラの会に問い合わせいただくM女性には様々な方がおられます。
緊縛というアートな世界を一度でもいいから体験したいとか、SMのご経験はなく、でもなんとなく憧れがあって、一度話を聞いてみたいとか。実は大変のM女性が初心者に近いです。
一方で、おそらく御自身の心との対話をずっとやってこられ、ある程度自分を理解している女性の中には、いわゆる「服従」という言葉に、「選択肢を排除したシンプルライフの考え」であったり、「心を充満させる愛情」とリンクさせておられる方もいます。
もちろん、過去のコラムに書いているように、「サービスS」がベースになるのは当然ですが、S性の管理する世界(部屋)の中で、何かに繋がれていたいとか、檻に入っていたいとか、そういった欲求を持たれる方も多々おられます。
愛を提供してくれるS性に対し、M性も愛を提供する。その証が、「なんでも言うことを聞いてしまう」心理なのかもしれません。
拘束も「繋がれている」とか「檻」の効果と同様で、動けない状態の中で、もはやS性の意思に体の感覚や刺激を任せてしまう、つまりそこの時間と空間において、全てをS性に捧げてしまうという心理なのかなと思います。
自分でなんらかを選択する余地をなくしてしまうことで、シンプルさを追求する。心の中の邪念を排除し、素直に愛情に触れる、もしくは触れざるを得ない。
非日常を充実させる一つの手法であるのかもしれません。